30代になり、自分のキャリアを考えた時に誰もが一度は転職を考えたことがあるのではないでしょうか。年収やスキルアップ、立場の向上、目的は様々でしょう。
しかし、転職をしてより良い条件で実力を発揮して有意義に働きたい、と志す中で、不安要因もいくつか頭をよるでしょう。その中のひとつに、転職自体が成功しても、実際に入社してからうまく馴染むことが出来るのか、という不安の声が多く聞かれます。
ここでは、実際に転職した後、しばらくは職場に慣れないストレスがあるのは当たり前であること、客観的に達観して受け入れること、さらに、自分のできることをすることが何よりも大事で、初心に戻り周りとコミュニケーションを取ることの大切さ、を詳しくお伝えします。
30代で転職してから慣れるまでの期間
平均3カ月から半年はかかる
特に30代の転職は、転職先で即戦力を求められることがほとんどです。成果を出すため頑張りたくても、慣れない人間関係、ルールの違い、周りの期待の目やプレッシャー、戸惑うことばかりです。
しかし、何事もひとつずつ、焦らずに肩の力を抜いて取り組んでいきましょう。リクルートのある調査によると、転職1カ月未満の人の6割が辞めたいと答えたのに対して、その3か月後には、6割の約半数が辞めたい気持ちが解消された、と答えています。
同業他社であったり、若いうちは順応性も高かったり、30代であれば、最初の3カ月である程度の要領を掴み、半年後には不自由なく独り立ち出来ている、というのが平均的の様です。
例えるならば、「中学生や高校生のとき、入学したばかりで知らない人だらけの新しい教室で不安がいっぱいだったけれど、最初の学期が終わる頃には仲の良い友人ができて学校のルールにも慣れていた」、というとイメージがしやすいかもしれないですね。
新しい環境なのだから、慣れていなくて当たり前、出来ることをひとつずつ進めていきましょう。
職場の雰囲気にまずは馴染もう
それでも、毎日慣れない職場に出社するのは精神的にもなかなか辛いですよね。仕事で頑張るのはもちろんですが、まずは、自分が仕事で関わるチームの仲間とコミュニケーションを取りましょう。仕事の業務以外の部分で、周りの人に受け入れてもらえるように務めることで、努力していることが伝わり、あなたの行動も前向きにとらえてもらえるでしょう。
小さなことで良いので、誰もが好意的に受け取る行動をしていきましょう。
例えば、笑顔で挨拶をする、目を見てにこやかに話す、話を聞くときはメモを取る、名前をきちんと憶えて呼ぶ、助けてもらったならばきちんとお礼の言葉を伝える、分からないことは恥ずかしがらずに早めに正直に聞く、レスポンスは早くする、など、です。
誰もが社会人なりたての頃に、上司や先輩に一度は言われたことがあるものではないでしょうか。初心に戻ったつもりで、職場の雰囲気に溶け込む努力をしていきましょう。
職場の雰囲気やチームの仲間と打ち解け始めれば、仕事自体もスムーズに進んでいくものです。
慣れるためのポイント
コミュニケーションを取る
慣れるためのポイントのひとつめは、コミュニケーションを取ること、です。ひとつ前にもいくつか書きましたが、何よりも、仕事のチームや関わる人間関係との積極的なコミュニケーションが大事です。
転職したばかりで慣れない環境にいるあなた自身が不安であるとともに、新しく仲間を受け入れた周りの人たちも同じように、あなたはどんな人なのだろうかと様子を伺っているのです。あなた自身から歩み寄り、笑顔で会話をしていきましょう。
また、入りたての頃は分からないことが多くあると思います。邪魔してしまうし質問しすぎると悪いから…と気を遣ってしまうと仕事も進まなければコミュニケーションも進みません。
分からないことは当たり前、割り切って、コミュニケーションを取るチャンスととらえ、積極的に動いていきましょう。
前職のスタイルにこだわりすぎない
慣れるためのポイントのふたつめは、前職の結果やスタイルにこだわりすぎないこと、です。
前職の功績が買われて転職できたのだとしても、以前の会社自体のネームバリューだったり上司やチームの支えであったり、自分が思っていた以上に外的要因から成る結果を出していたかもしれません。
また、新しい職場のルールやシステムに慣れずに、以前の慣れていたものに固執してしまうこともありますね。
環境を変えたのは自分自身、向き合うべき対象は新しい環境、現状に不満を持ってしまっては本末転倒です。
まずは転職先のやり方に慣れて、郷に入れば郷に従えの精神でゼロからやり直しましょう。
プライドは捨て分からないことは質問しよう
慣れるためのポイントのみっつめは、余計なプライドは捨てて、分からないことは質問する、です。
前職で活躍していた方ほど、「こんなはずではなかった」、「自分はこんなことが分からないはずがない」、「もっと出来るはず」などと、自分の中のプライドが邪魔をして、素直にわからないことを受け入れられない場合があります。仕事に励むにおいて、プライドや自信を持つことはとても大事なことですが、余計なプライドは要りません。
円滑に進むものも進まず、周りから孤立してしまう、なんてことにも成りかねません。何事も素直さが大切です。
分からないことは誰にでもあることで、新しい環境に入ったばかりならば、分からないことだらけなのが、当たり前です。むしろ、なんでも質問できるのは、まだ慣れていないうちの特権でしょう。素直にすぐに、質問していきましょう。
転職先に過度な期待をしすぎるのはやめよう
転職し始めはストレスが必ずあるもの
分かりきったことですが、転職がゴールではありません。新しい職場に馴染み楽しく仕事をすること、が先に進むための道筋であるはずなのに、想像していたイメージと違ったり、居心地が悪かったり、思う様に進めない、と悩んでしまいます。そうなると、すべてがストレスと感じてしまうでしょう。それは、転職に限らず、新しい環境に身を置いた時、人は必ず感じるものです。その違和感を払拭するために、先に述べたような慣れるためのポイントを努力したり、時間がある程度は解決してくれるのを待ったり。転職し始めは、誰にもストレスはあるものなのです。
期待やギャップを感じるとストレスは大きくなる
ある程度は入社前に、新しい職場への期待や理想を思い描くかとは思いますが、その理想が大きければ大きいほど、現実とのギャップでストレスは大きくなってしまいます。
転職先に対する過度な期待や理想を持つことはやめておきましょう。こんなはずではなかった…という思いが、すべてのことをマイナスに捉えてしまい、悪い方へと思考自体が引っ張られてしまうでしょう。
ストレスはあるものと割り切る
ストレスに振り回されて良いことは何一つありません。どんなに大変でも、慣れるまでに時間がかかったとしても、転職にはストレスはつきものであるという達観した心持ち、そして、自分自身を冷静に客観視すること、これらを忘れずに持ち続ければ、ストレスに苦しむことはないでしょう。
職場に慣れるために努力を惜しまないことはとても素晴らしいですが、休日はオフの時間をしっかり持って切り替えることが大切です。リフレッシュすることで気持ちも前向きになるでしょうし、冷静に客観視できることで自分のストレスマネジメントにも繋がるでしょう。
早く転職先に慣れるためには自分から歩み寄っていこう
慣れるためには平均で半年ほどかかるということ、転職した人なら誰もが通る道であること、慣れるためにはコミュニケーションを取りプライドは捨てて素直になること、そして、ストレスは必ずあるものなので割り切ることが大切である、ということをお伝えしてきました。
転職先に慣れないことは当たり前のことなので、過度に不安に感じる必要はありません。現状を受け入れ、その環境で自分がするべきことを積極的に行動していけば、気づいた頃には不安やストレスはなくなり、本来の実力を仕事で発揮出来て、転職の成功を実感していることでしょう。